上海教育事情ブログ

上海で個別塾「上海個別塾(シャンコベ)」を運営しつつ、上海の日本人向け教育事情についていろいろと書いていきます。上海だけでなく、他の海外からの中学受験、高校受験、大学受験について、一般入試や帰国生入試に分けてリアルな状況をお話します。

上海日本人学校高等部の合格発表にかんして

12月10日(火)に上海日本人学校高等部の内部と公募試験の合格発表がありましたね。上海会場では21人が受験して20人が合格したみたいです。合格した方々はおめでとうございます。

 

さて、上海日本人学校高等部のホームページで募集要項を確認すると、定員は40名程度です。しかし合格者は20人。他に東京会場があるとしても、東京会場で20人も合格者は出ていると思えませんし、定員を大幅に下回った結果になるでしょう。

 

ここで個人的に思うことは、1人だけ不合格にするというのはどうなんでしょう、ということです。つまり、上海で生活する日本人にとって選択肢の少ない高校の中で、日本人だけを対象にした上海日本人学校高等部は上海在住邦人の子女に教育を受けさせる義務があるんじゃないかということです。

 

もちろん高校は義務教育ではありませんし、一私立高校の合格基準なんて高校側が決めることでしょう。でも、法的に義務教育ではなくても、高校くらいは多くの人が通うことが普通になってきた今の時代で高校に通えないという状況を作ることがどうなんでしょうかと思わざるをえません。しかも定員に満たない人数であるならなおさらです。

 

高校側としては、進路実績がかなり重視されるところなので、あまり成績の良くない生徒を入れることで他の生徒への悪影響や、教員への負担増、他の保護者からの目などを気にしているのでしょう。高校の勉強についてこられない生徒を合格させることは確かにリスクです。

 

日本の私立高校に対してこんな苦言を呈することはないです。しかし、それは日本であればレベルに合った高校へ進学するなり、就職するなり、いろんな選択肢がありうるからです。上海では、家族が一緒に生活しようと思えば、子どもたちは進学するしかないのです。その中で、上海日本人学校高等部は、普通の日本の私立高校とは異なる役割を担う必要があると思うのです。

 

日本の大学はさまざまな形式の入学試験を実施していますし、上海日本人学校高等部が少人数であるからこその一人一人に適した教育を施して、さまざまな生徒を抱えられるだけの器を持ってほしいと思います。

 

もちろん高等部の先生方の御苦労も御察し致しますが。。。