高校現地校事情
またまた更新が滞っておりました。今日は、上海での高校選択についてすこし詳しく紹介いたします。
■概要
さて、上海ではこの時期になると日本よりも一足早く、高校進学の動きがあわただしくなってきます。茗渓学園、宝仙学園、立命館宇治、土浦日本大学高校など上海会場で受験できる高校の多くは11月に試験があります。
上海に残る家族にとっては、日本人学校高等部の内部進学試験の時期でもありますね。
上海での高校選択となってくると、日本人学校高等部にすべきか、インターナショナルスクールにすべきか、はたまた現地校国際部はどうなのか…などといろいろと思案されているはずです。
これまでは日本人学校高等部を中心にブログで紹介してきたので、今回はインターナショナルスクールと現地校について考えてみたいと思います。
■インターナショナルスクールってどうなの?!
上海のインターといえば、SAS、BISS、WISS、LAS、SCIS、YCISなどがありますが、そのほとんどが高校2~3年生の2年間をかけてIB取得を目指すことになります。となると、気になるのは「どの学校に行けばIBでいいスコアがでるの」というところでしょうか。
これに対する私の答えは、「運次第」です。全くアドバイスにならずに申し訳ない所ですが、IBはその科目をどんな先生が担当するかが最もスコアに影響するといっていいでしょう。先生が違えば、授業の進め方もテストの難易度もまったく違います。試しに周りでIBをとってきた学生に話を聞いてみてください。日本の高校内容とは違って、かなりばらつきがあります。ということなので、どの学校がいいとは言えないんです。
それでもあえてどれか一つ選んでくれと言われれば「SAS」さんをお勧めします。ただし先生の差ではなく、生徒の差です。同級生のレベルが一番高くなるのがSASさんだと思います。ですので、その分ずっと日本語で教育を受けてきた中学生が急に入るインターとしては不可能に近いと思われます。
それ以外の学校を考えると、「どこの学校も似たり寄ったり」なんです。
■現地校国際部って何?
では、中国現地校の国際部はどうでしょうか。インターナショナルスクールと同じカテゴリーにされやすい現地校国際部ですが、これに関してはかなりレベルに差があります。
まず、私の個人的な順位としては、
上海中学→復旦大学附属→進才/(華東師範)→(上海外国語大附属/甘泉)
という印象です。他の現地校もありますが、私が知っている範囲で順位をつけると上記のようになります。華東師範以降が括弧つきなのは、中国語を中心としたカリキュラムとなるためです。
さて、まずインターと現地校では何が違うでしょうか。大きく3つ挙げると、
①中国系の先生や生徒が多く、国際部と言っても日常会話で中国語の割合が高い(そもそも華東師範以降は中国語コースが多い)
②生徒のレベルや理解度に関係なく、授業内容は全体的に難しい
③優秀な生徒だけをちやほやするような傾向がある
というところでしょうか。
では、どの現地校がいいのでしょうか。これに関してはお子様の能力とやる気次第です。本当にやる気とそれ相応の能力があるのならば、上海中学や復旦附属をお勧めします。
それ以外の現地校に進学させようとするのであれば、私としては現地校ではなくインターナショナルスクールに行くことをお勧めします。中国語や英語など言語だけでも身につけて…と考えられる保護者の方も少なくないですが、中国語環境の強い他の現地校で中国語中心に勉強するよりは、インターナショナルスクールで英語を学んだ方がよっぽどいいと思います。
■まとめ
以上の私のアドバイスは、中学校で成績上位の人向けの話になります。成績が普通程度の生徒さんであれば、やはり日本人学校高等部に行き、日本語でしっかりと授業を受けて思考力を鍛えることが、他のどんな言語を学ぶことより良いと思いますよ。
ぜひ、ご参考までに。