上海教育事情ブログ

上海で個別塾「上海個別塾(シャンコベ)」を運営しつつ、上海の日本人向け教育事情についていろいろと書いていきます。上海だけでなく、他の海外からの中学受験、高校受験、大学受験について、一般入試や帰国生入試に分けてリアルな状況をお話します。

上海から日本の高校を受験するときの問題点

日本人学校だろうがインターだろうが、高校になると上海の日本人中学生たちの大半は日本の高校を受験します。今は帰国生を対象とした高校も多いので、選択肢に困ることはないでしょう。

 

さて、上海から日本の高校を受験するときにいろんな問題に直面することがあります。これまで相談を受けてきた中で一番多いのは、

「日本のどこに帰国するかがわからないので、志望校が決まらない」

ということでした。

 

たしかに地元の公立中学校に通っていれば、どれくらいの成績でどれくらいの高校に合格するという明確なラインが存在します。私自身の経験としては、地元の中学校で上位10位以内であれば○○高校、30位以内であれば□□高校などと担任の先生からはっきりと伝えらていました。

 

しかし、上海ともなるとそもそも日本のどこに帰国するのかが決まらない場合も少なくありません。それで中学2年の後半~中学3年の前半になっても志望校がはっきりと決まらないままに、目標がしっかり定まらず受験勉強を始めないといけない子も少なくありません。

 

子どもが高校生になる時期からは旦那さんだけが上海に残り、家族が帰国するというケースも多いですが、それでも日本人学校高等部や他の現地校国際部も視野に入れつつ家族で相談し、最終的な決断は中学3年の夏頃ということも少なくありません。その時期になって受験勉強を始めても成績に大きな伸びを望むのは難しいでしょう。

 

そういったことを心配される保護者の方に私が言えることは、中1の段階からどの地域のどの高校に、どの受験方式でも受験できるようにきっちりと学校の勉強をこなすことです。まずは評定をちゃんと取りましょう。そうでなければ公立高校の受験が難しくなってしまいます。しかも日本人学校のテストの内容は応用問題も少なくないので、受験とも被る内容も多いです。ですので、まずは定期テストの勉強をしっかりとすることが一番の受験対策と言えます。

 

上海の学習塾さんは私立受験を意識しすぎた勉強になっているケースもあり、選択肢を一番多く持つためにはそれよりももっと学校のペースと合った授業をしてる塾を選んだほうが良さそうですよ。

 

そうそう、最近通っている上海で一番腕がいいんじゃないかと思う美容室Proche(プロッシュ)さんが紹介されていました。ここ、おススメですよ。

名古屋大学の帰国子女入試ってどうよ?

グローバル30という政府の計画があります。これが結構ひどい。

※2013年の時点の内容とは異なることもあるため、最後に追記を加えています。

 

日本の大学への留学生を30万人に増やすという計画で、日本の大学国際化の拠点として以下の13大学が選ばれています。

東北大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、同志社大学、立命館大学

 

そうして13大学が留学生を増やすために無理やりでも留学プログラムを増やしているのですが、その中で特に名古屋大学の国際プログラムはひどいみたいです。

 

まず授業は他の学部生たちと完全に別。それって日本の大学で学ぶ意味ないんじゃないかと。まるで中国の大学の国際交流学院みたいな。

 

次に、要求スコアの低さ。表面上はスコア80、GPA3以上なんて要求がありますが、そもそもそんなに厳格ではありません。留学生をいれるために必死なんでしょう。

 

そんなプログラムを卒業した学生たちが社会的に評価をされるわけもないでしょう。名古屋大学に入りやすいからといって国際プログラムで入ることはおススメしません。やっぱり帰国子女っていうのはいろいろと難しいですね。

 

さて、私個人でも帰国子女受験の相談を受け付けております。無料で相談できますので、以下のメールアドレスにお気軽にご連絡下さい。 

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(スパム防止のために画像ですいません)

 

(追記)2020年12月24日

名古屋大学の国際プログラムのレベルも年々上がっていて、狭き門になってきています。2013年時点での内容と今では状況が大きく異なることを理解しておいてください。

上海の某集団塾さんに要注意

ご無沙汰しておりました。この時期、受験に向けて小学生、中学生、高校生のご家庭といろいろと進路の相談をしていて、面談、資料の作成などで忙殺されておりました。

 

ところで、ある集団塾さんに通わせている保護者の方々から結構相談を受けます。先生方が結構傲慢な態度で対応されているようですね。実績のある集団塾さんだからと言ってそれにあぐらをかいているのでしょう。

 

でも、私が見る限り実力のある先生はほとんどいらっしゃいません。もともと勉強のできる子たちを集めてそれに問題をあたえて解かせているだけ。解説だって問題集そのもの。結局できない子はできないまま。そんな状況です。

 

もちろん、塾はあくまで「補習」であって、学校や家庭学習が成績を決める最も大事な要因ですが、実績だけを見て自分のお子さんのことをよく見られていないこともあると思います。

主語と述語

英語でも、国語でも、古文でもどれでも大事なのは主語と述語を捉えることです。そんなの、本当は簡単なことなはずですが、これが意外にもちゃんとできている人は多くない。例えば次のような英文を見てましょう。

 

He is from America.

 

これを「彼の出身はアメリカです」というように訳す人が意外にも多いんです。まあ、実際に日常生活を送る上ではそれで全く問題はないのですが、それでは試験の英文和訳で減点されてしまいます。というのも、試験の英文和訳は直訳が求められるからです。

 

ということで、主語が「He」動詞が「is」なので、「彼は~です」と訳すようにして、「彼はアメリカ出身です」というようにします。さて、次はどうでしょう。

 

The bag, which looked old, was carried to his room carefully.

 

いきなり高校英語になりました。笑

でも、これもそれほど難しくはないです。まずは主語を確認しましょう。主語が「the bag」であることがわかるレベルであれば十分です。あとは動詞を考えましょう。「which looked old」は後から挿入された句として考えればいいので、この文の動詞は「was carried」となります。ということで、「the bag was carried」という主語と動詞の関係から「そのかばんが運ばれた」という意味がとれるわけです。

 

さらに他の語句も付け足して「The bag was carried to his room carefully」としましょう。これも主語と動詞がしっかりしていれば「そのかばんは彼の部屋に注意深く運ばれた」とちゃんと訳せます。「which looked old」は「古そうに見えたが」とかばんの後に付け加えます。それだけです。

 

こうして主語と述語をちゃんと捉えていれば訳すことは問題なくなります。

 

さて、古文ではどうでしょうか。次の文を見て下さい。

 

鹿を求め歩く程に、目を合せたりければ、「鹿ありけり」とて、押しまはし押しまはしするに、たしかに目を合せたり、矢比にまはし取りて、火串に引きかけて、矢をはげて射んとて、弓ふりたて、見るに、この鹿の目の間の、例の鹿の目のあはひよりも近くて、目の色も変りたりければ、怪しと思ひて、弓を引きさしてよく見けるに、なほ怪しかりければ、矢を外して、火を取りて見けるに、鹿の目にはあらぬなりけりと見て、起きば起きよ思ひて、近くまはし寄せて見れば、身は一張の皮にてあり。

「宇治拾遺物語」より

 

ものすごく長い一文です。今の時代なら学校の国語の授業で「一文はもっと短くしなさい」と必ず言われます。でも昔はこれで良かったんですよね。結局いいと言われる文章スタイルなんて、その時代時代の流行でしかないのかもしれません。

 

そんなことはおいておき、この文章、これだけ長い一文ですが、主語は鹿を射ようとしている男なんですね。なので、その行動をだらだらと書いているに過ぎないので、読みにくいということはそれほどないと思います。「鹿だと思って射ようと思ったけど、違和感があったので近くに寄って見てみたのだが、やはり体は鹿の皮だ」というような内容です。

 

しかし、古文には一文に2回も3回も主語が変わってしまう文があります。その場合、どこから主語が変わっているのかをちゃんと判別することで話の流れをちゃんと読みとるようにしましょう。

 

主語と述語、すべての基本ですね。

国語の勉強

上海という土地柄、「国語を勉強したい」というお子さんは少なくありません。じゃあ、国語って勉強して良くなるものでしょうか。

 

ところで、国語ができない原因を、「文章が読めないこと」と考えている人も多いですが、実際にはそんなことはないです。「今日、朝ごはんに何を食べたの?」と聞いて、「ご飯とお味噌汁」などと答えるような最低限のコミュニケーションがとれるのであれば、よほど難しい内容でない限り、理解は曖昧でもちゃんと文章を読むことはできています。

 

そもそも日本人学校の国語のテストで点数が取れていないケースは、いくつかのパターンがあります。

①文章読解はできていても、答え方がわかっていない。

②文章読解は問題ではなく、文法問題を間違ってしまう。

③漢字が書けない。

ほとんどはこの3つの複合的な状態です。

 

①のパターンを改善する方法は、ちゃんとワークや問題集を繰り返しこなして、答え方を覚えることです。特に定期テストでは、出題される問題文が前もってわかっているのですから、ちゃんと準備すれば確実に点はとれます。

 

②のパターンは、日本の公立学校とは少し違う点ですね。上海日本人学校は文法問題がやたら好きです。今年の1年生の1学期の定期テストでも3割以上が文法問題でした。これはちゃんと理解しておかないと解けないので、問題を解きながら理解するようにしましょう。

 

③のパターンの解決方法は簡単です。定期テストなんて範囲が決まっているテストなんですから、そのテスト範囲の文章を何度も読み返して、書けない漢字をなくすようにして下さい。教科書を読みながら、少し難しそうな漢字を見ては、また別の紙に書くように繰り返せば大丈夫です。

 

「うちの子は国語ができないから将来が心配」というのは、かなり漠然とした不安だと思うので、結局は国語の定期テストの点をあげたいだけなのか、それともコミュニケーションが成り立たないことが多くて不安なのか、はたまたその両方なのかを冷静に判断して、それにあった対策をしていきましょう。

 

とはいっても、コミュニケーションが成り立たないということはほとんどないので、問題は定期テストの点だけだと思うのですが。。。

上海での高校受験事情

これまで書いてきたように、上海日本人学校の学力レベルは決して低くないです。知り合いのお子さんは、定期テストの平均点が70点くらいで中央大学附属高校に余裕で受かっていましたから。ところで、上海の高校受験事情を聞いていて気になることが。。。

 

何かと言いますと、高校受験に関して大学の附属高校を熱望される家庭がかなり多いように思います。でも、これってどうなんでしょうか。

 

「MARCHレベルだって大学受験は大変なんだから、その附属高校に入ればその大学受験を心配しなくていい」

 

そういう話をよく聞きます。でも、MARCH附属校って、青山学院、明治大、中央大などどれも偏差値70くらいあるんですよね。大学ならだいたい偏差値50後半から60前半ですよ。高校受験の偏差値の高さに対して、その先の大学がMARCHかと思うと残念に思うのは私だけでしょうか。あ、MARCHがダメとは言っていないですよ。そうじゃなくて、それだけ勉強できるならもっと高みを狙ってほしいなと。

 

もちろん高校の偏差値と大学の偏差値は全然違うというか、何の関連性もないです。でも、私が思うにMARCH附属校レベルの入試レベルって、英語なら高1レベルの内容なんですね。国語(特に現代文)も結構難しいです。数学だけは中学と高校で抽象レベルが違うので何とも言えなくなりますが。。。

 

で、MARCH附属校に入れる実力があるのであれば、高校でもちゃんと勉強して一般受験した方がいいと思うんですよ。もちろん大学受験でMARCHにも受からないこともあります。でも、ちゃんとやれば確実にMARCHじゃなく旧帝大や早稲田、慶応に受かりますよ。だって、知識的には高校1年以上の先取りをしているのと変わらないんですから。

 

何だか、安全圏安全圏と考えて附属校に流れている気がしますが、もっと子どもの可能性を高めることをした方がいいんじゃないでしょうか。とか思ったり。

上海の小学校用国語教材

上海で難しいのが日本語の算数や国語などの教材を手に入れること。まず本屋さんにおいているはずもなければ、すべて日本からハンドキャリーで運ぶか、高い輸送費をかけて日本から輸送してもらうしかありません。

 

なので、上海ではうまくインターネットを活用しましょう。私の独断と偏見でおすすめの教材サイトをまとめてみました。

 

ちびむすドリル(無料)

小学校1年生~小学校6年生までの基本的な内容であればこれで十分!たくさんやらせずとも、朝に漢字プリントを1枚だけやらせるだけで十分でしょう。

 

漢字練習.com(無料)

5級以上の漢字検定対策として使えます。検定前に1日1回で十分です。

 

基礎国語学習プリント(無料)

音読プリントがあるのがいいですね。内容は難しめですが、小学校低学年にはしっかりと音読させたいものです。

 

算数対策や他の学年の対策にかんしてはまた後日。