上海教育事情ブログ

上海で個別塾「上海個別塾(シャンコベ)」を運営しつつ、上海の日本人向け教育事情についていろいろと書いていきます。上海だけでなく、他の海外からの中学受験、高校受験、大学受験について、一般入試や帰国生入試に分けてリアルな状況をお話します。

上海日本人学校高等部についての個人的意見

先日コメントにて、「日本人学校高等部の現状について知りたい」という意見をいただきました。

 

ちょうど日本人学校高等部の内部進学の発表もあり、同様のご質問を受ける時期ですので、コメントも公開させていただき、全体に向けて私の知る限りの範囲ですべてお答えさせて頂きます。

 

まず、相談内容をまとめると、「新中学3年生になる息子を上海に連れていくが、日本人学校高等部の現状はどうか」という内容でした。高校の現状といっても、学校のカリキュラムなのか、先生の質なのか、同級生たちのレベルなのか、はたまた…とありますので、質問を想定して答えてみます。

 

①日本人学校高等部の授業のレベルってどうなの?

全体的には中堅公立高校の進学クラス程度の授業ペースだと考えてください。ですので、授業のレベルはそこそこだと思います。ただし、日本の難関私立高校のように授業ペースがかなり速かったり、個性のある先生によって好き放題な授業が展開されるということもなく、けっこう普通です。私は公立高校出身ですが、同じくらいの授業ペース・レベルでした。

 

ということで、例えば、地方公立高校の進学クラス(偏差値60前半くらいまで)あたりに進学する予定であれば、同じようなレベルの授業が受けられると思います。しかしながら、都市圏の公立上位高校や、中堅以上の私立高校と比べると授業ペースは遅いです。そのレベルに進学される予定であったのなら、何かプラスアルファのことをした方が良いかと思います。

 

難関大を目指すのであれば、理系なら数学と英語、文系なら英語のペースは学校のペースに関係なく、なるべく速めた方がいいです。また、国公立を目指すのであれば、他の科目も含め、早い時期から本人のモチベーションを上げて受験準備をすることが必要になります。これは日本でも同じですが。

 

②先生・生徒のレベルは?

先生のレベルをどう判断するかにもよりますが、学歴(学校歴)で見てみると公立高校よりは圧倒的に良いです。が、当たりはずれがありますので、これに関してはお子様と担当の先生とのフィーリングかと。

 

生徒のレベルについてですが、生徒の学力レベルは模試の偏差値等で客観的なデータがとれるので、それを元に答えます。

 

今の高校3年生は偏差値が40~60後半くらいだと思われます。(全員の成績を知っているわけではありませんので、正確ではありませんが…。)ですので、専門学校に行く子もいれば、難関大学に合格する子も出るでしょう。実験的だった初年度と比べて全体的に学力レベルは上がったので、今年の進路実績は去年の進路実績より良くなると思います。(国公立大合格が増えると期待しています。)

 

高校2年生も模試の偏差値が40~70くらいとかなりばらつきがあります。一学年50人弱の生徒間にそれだけの偏差値の幅があるわけですから、上を見ると高いですし、下を見ると低いです。ただし、学年全体でみると今の高校2年生が最もレベルが高いような気がします。

 

一方、今年の高校1年生は平均的ではありますが、ずば抜けてレベルの高い子もいないかなという印象で、生徒の学力の偏差値は50弱~60前半という印象です。全体的に頼りない感じがあり、このままのペースで進むと、ほとんどの子が推薦で私立中堅上位大学(GARCH,関関同立レベル)におさまるような気がします。地方国公立までは狙えそうですが、旧帝大や難関私立はまだまだという感じがしますので、これからに期待です。

 

③今年の受験生(来年の新高校1年生)はどうなの?

さて、まだ一般受験を控えていますが、今年の高等部の内部進学の子たちのレベルはどうでしょうか。これはあくまで噂ですが、今年は今まで落ちるレベルだった生徒も合格になったという話があります。

 

私としては、昨年は1人落ちた際に「全員合格でいいじゃないか」という話をしたことがあるくらいですので、どんなレベルの子でも受け入れてあげればいいと思うんです。高校は、形式的には義務教育ではありませんが、実質は義務教育みたいなものですから。上海で家族と生活する上で高校は選択肢がほとんどないなか、高等部には商工クラブ等の資金が入っているのですから、公的な存在であってほしいからです。これはあくまで個人的な意見です。かつ、高等部もそれに近い考え方で生徒を受け入れていると思います。

 

ただし、その分生徒の学力差は大きくなります。来年も学力差は大きくなると予想されます。少人数かつ学力差の大きい環境で、あまりライバルもできにくいですから、どれだけ自分の意思を強くもてるかが大事になります。周囲に流されやすい子はどうしてもマンネリ化しがちです。

 

④予備校ってあるの?

予備校はないと思って下さい。駿台さん、JOBAさんなどの海外子女向けの塾はありますが、小学生・中学生のみ対応と言っても過言ではありません。高校生は受け入れていない、もしくは個別指導のみ対応(そう言って実質ないことも)という状況です。

 

個別指導や家庭教師についても、ほとんどが学校の授業内容のサポートに終始します。難関大を目指すならまずは自分で目標を設定して勉強し、そのサポートを個別指導や家庭教師で頼むことになると思います。

 

良い先生であれば、その目標も一緒に設定してくれます。学校や周囲のペースなどを気にせず、その目標を信じて着実に勉強していくことが、最も難関大合格の近道だと思います。大学の一般受験に成績は関係ありませんから。ただし、そのレベルの個別指導・家庭教師をできる先生も限られますので、少し早めに探されることをお勧めします。

 

⑤その他

あまりまとまりがなく申し訳ありません。

 

もし、日本でのお子様の実力テスト等の偏差値や通われている中学校のレベル等を教えていただけるとより具体的なアドバイスが出来るかと思います。コメントは承認制ですので、フリーアドレスと相談内容等をコメントに投稿していただければ、個別にご連絡して対応致します。