上海教育事情ブログ

上海で個別塾「上海個別塾(シャンコベ)」を運営しつつ、上海の日本人向け教育事情についていろいろと書いていきます。上海だけでなく、他の海外からの中学受験、高校受験、大学受験について、一般入試や帰国生入試に分けてリアルな状況をお話します。

高等部からの国立大学受験④(2018年度の振り返り)

高等部からの国立大学受験シリーズを今回で完成しようと思っていましたが、あともう1回かかりそうです。(センターについての話が少し長くなってしまいました。)

ということで、前回、前々回、前前々回に引き続き、高等部生で実際に国立大学を受験した生徒さんに絞ってどのように受験をしたのかを詳しくお伝えしています。まずはを読んでから、読んでもらえると参考になるかと思います!

 

⑦12月中旬~冬休み前半

この時期はセンター試験直前ですので、他の教科に加えて、英語や国語も二次対策をお休みにして、センターの形式慣れの為の対策だけを行っていきます。二次に対しては英語が安定したおかげである程度の得点の目途がたったこともあり、彼に対しては「センターで650点を取れれば順当。680点くらい取れればかなり安心。逆に620点くらいだと危ない。」ということで、700点目標だったのを少し修正して600点台後半を狙うようになりました。

そして、とにかくセンターの過去問を繰り返し解いてもらいました。英語に関しては早い段階で点数が安定していたので5~6年分ほどしか解かず、一方で国語は安定させるために15年分ほど解いてもらいました。数学2Bや社会も10年分ほど過去問を解き、数学1Aや理科基礎は2016年以降の形式では過去問が少ないこともあり他のマーク模試問題集を併用して10数回分解いてもらいました。ここで特に意識してもらったことは「時間配分」です。大問ごとの時間配分や難しいときの問題の捨て方なども、彼の状況に合わせて予め決めていくことで点数がかなり安定するようになりました。

「センターには魔物が棲んでいる」とか「センター本番はいつもより〇〇点下がる」という人もいます。私は、本番で点数が下がるのは、魔物がいるわけでも、難しい問題が出るからでもなく、準備不足に尽きると思っています。彼には、時間配分に加えて本番までに対策が必要なこともすべて伝えました。「本番のテストの環境が今より悪いかもしれない。となりで咳をごほごほするやつもいるかもしれない。開始10分で寝るやつもいるかもしれない。貧乏ゆすりしてくるやつもいる。暖房がききすぎてぼーっとするかもしれない。鉛筆や消しゴムを落として焦るかもしれない。トイレに行きたくなるかもしれない…」とにかく、いろんな事態を想定して、その場合はどうするかを一つ一つ確認していきました。

 

⑧冬休み後半(正月)~センター試験

そして、12月31日、1月1日にセンター本番と同じ時間、同じ試験の順序で教室でセンターパック(赤)を予行演習として解いてもらいました。多くの人は学校で模試は受けたとしても、面倒くさがって本番と全く同じ時間割で解くことをしません。試験ごとの間の休み時間とか長すぎるんですね。しかし、試験と試験の間の長い休み時間をどう過ごすのか、お昼や飲み物、軽食はどうするのか、忘れ物をしたらどうするか、などといった本番と同じ時間割になって初めて経験できることがあります。だからこそ、かなり面倒でも一度本番と同じように長く休み時間をとったり、間でお菓子などを食べるべきかどうかも経験してもらいました。彼自身、そういう想定が得意な方ではないので、とにかく本番でいつも通りのパフォーマンスを発揮するためにできることを尽くすことを考えていました。

2日間のセンターパックの結果は、細かい点数が残っていませんでしたが合計で630点ほどでした。残りの期間は、点数を上げやすい理社を中心に復習することを伝えて、彼は1月4日に日本に出発しました。

それから数日後の1月8日に、本人からセンターパック(青)を解いたという連絡がありました。そのときの得点は、英語8割、国語7割5分、数学6割5分、世界史・地理7割弱、理科基礎7割弱で、合計がほぼぴったり650点となっていました。この年はセンター試験本番が少し遅く、1月19,20日だったため残りの期間に数学や理社の弱い単元の復習を伝えました。

そうして本番を迎えました。2018年は全体的に易化傾向だといわれています。そのなかで彼がとった点数は合計で700点を少し越えた点数でした。易化した以上に得点を伸ばしてくれました。

本番が終わった後、「先生が咳するやついるっていうけど、誰一人そんなことなくて今までの中で一番集中できる環境でしたよー」というくらい本番は集中しやすかったそうです。

こうして振り返ってみると、12月に入ってからは「科目ごとの対策」というよりは「センター試験というイベントについての対策」をしていたと思っています。科目ごとの出題形式に慣れたり時間配分を決めること、試験本番での様々な問題を想定して対処法を決めておくこと、などによって安定して受験することが本番での結果を想定通りにしてくれます。ですので、センター本番に限らず試験本番で点数が下がるとすればそれは準備不足です。

 

つづく。

高等部からの国立大学受験③(2018年度の振り返り)

遅くなってしまいました。ようやく落ち着きましたので、高等部からの国立大学受験シリーズを完成させます。今回を合わせて残り2回で完成します。

前回、前々回に引き続き、高等部生で実際に国立大学を受験した生徒さんに絞ってどのように受験をしたのかを詳しくお伝えしようと思います。まずはを読んでから、読んでもらえると参考になるかと思います!

 

⑤受験夏休み期

夏休み期間、日本に戻って予備校に行くべきかという相談を受けることがあります。(彼の場合、「そんなことするくらいなら自分でする」といって、相談はありませんでしたが。)高3の夏だけ行くことに対しての私の判断は、「人による」です。答えになっていませんので、大きく2つのタイプに分けます。

まず、ある程度過去問を解くことができる状態になっている人は、ぜひ予備校に行くべきです。予備校の良さは、単元ごとのパターン化のうまさや傾向分析の緻密さにあると思っています。つまり、「今年はこういった問題が出るかもね」とか「こういうところをよく問われる」という受験問題についての話がでてきます。その内容を理解して聞くレベルに達するためには、夏の時点ですでに過去問を解いたことがあり、自分に不足しているものが何かを整理できている必要があると思います。その段階に達していれば、今後の勉強の方針も立てやすくなり、得られるものは多いでしょう。

次に、過去問を解いたことがない、あるいは解いてもちんぷんかんぷんだという人は、予備校に行っても得るものは少ないでしょう。そういう状態で予備校の授業を受けたところで、ただただ聞き流すだけになりがちです。そもそも説明で出てくる言葉が理解できないなんてことが多々あります。「これは対称式になっているので…」「副詞的用法の結果用法の1つで…」などと言われたときに、それを「?」と思うようでは、内容が深く理解できません。それよりも、基礎力を徹底するためにも、自分で問題集を解き続けた方が理解できる量は多いでしょう。

さて、そんなことで彼は過去問も一度も解いたことがなかったので、上海に残ってみっちり古文と数学(センター)、化学基礎を教え、英語・世界史を自習することにしました。夏までに一通り英語を終えたこともあり、夏の英語は基本自分でやってもらいました。一方、夏前にやっていた数学の問題集が一通り済んできたので、センター過去問を繰り返しやってきてもらうことを宿題にしていました。授業では、数学の解説と国語の古文と理科基礎に全く手をつけていなかったので、ここでセンター対策として必要な分に絞って指導しました。同時進行で古典単語も覚えてもらいます。

世界史は、夏までに一周と言ってやってもらっていましたが、まだ一周終えていなかったので、夏休み中に一周に修正。(さらにその後、10月中に修正しました。)

こうして、夏の段階でセンターでは、数学と国語が6割、化学基礎が5~6割、英語が7割くらいまでとれるようになってきています。この時点では世界史や地理は5割くらいでした。だいたい他の科目も加えて、合計で900点中540点くらいになってきます。

ここからは、ペース配分が重要です。「あと全体で、160点伸ばすために英語を40点、数学20点、国語30点、世界史と地理も30点ずつ、理科基礎全体で10点あげること。英語は2次の勉強優先していれば自然に上がる。国語は12月入ってから対策する。あとは、苦手なところを覚えたり、得点源をつくるなどすること」として、科目ごとに目標にする点を本人の実力ベースで決めていきました。こうして具体的な数値目標を共有することができるようになってきます。

 

⑥受験夏休み明け~12月前半まで

この時期が一番伸びる時期です。社会や理科系の科目はここで一気に伸ばしてもらいます。ここで成績が伸びるかどうかは、夏休みが終わるに自分の現状をしっかりと把握したり、自分に合う勉強法を確立してきたかによります。

そして、国立で重要な英語や国語は2次対策に入ります。当初、首都大とは別の地方国立大学を目標としていたため、2次試験が国語と英語だけであり、そのために記述の練習や英作文の練習をしてもらいます。毎週英語と国語の過去問を1題ずつ12年分ほど取り組み、それぞれ添削しつつ問題傾向をつかんでもらいます。記述もすべて点数化し、合格最低点や平均点と比べてどうだったかを毎回話します。そうしていくうちに、自分の得点源や、他の受験生と差のつく問題、そして捨てる問題の見分けがつくようになってきます。

このように、過去問を解くうえで重要なことは、「傾向を知ること」はもちろんですが、「自分がとるべき問題と捨ててもいい問題の判断をすること」でもあります。そもそも満点で合格することを目指すと時間が足りません。赤本の解答に一言一句近づける必要もありません。重要なことは、「このレベルの問題を解かないと合格点に達さない」や「この問題は捨てても仕方がない」といった判断をできるようにすることです。ただ過去問をといて答え合わせをしている人が多いですが、大事なことは合格ラインにいかに乗るかです。

 

最初の時期は5割前後でしたが、慣れてきた12月頃には過去問で7割~8割の得点がとれるようになってきました。国語は不安定でしたが、英語の得点が安定して取れるので「英語で8割とれば、もし国語でこけて5割だとしても確実だ」ということを確認するようにしました。

 

つづく。

高等部からの国立大学受験②(2018年度の振り返り)

前回に引き続き、高等部生で実際に国立大学を受験した生徒さんに絞ってどのように受験をしたのかを詳しくお伝えしようと思います。まずは前の内容を読んでから、読んでもらえると参考になるかと思います!

 

③ 受験勉強(初期)

高2の2月から高3の4月頃の時期が初期にあたります。まずは、英数の基礎を一通り固めていきました。英語は、春節と春休みを利用して文法を一周しました。これは、3年生になってから、ネクステなどの参考書で自分でも勉強を進めるようにするためです。数学は、単元毎に重要例題を絞って解き方を説明していきました。三角関数→ベクトル→数列→微積と進めましたが、この辺の順番は特に意識していません。三角関数が特に苦手だったのと、ベクトルや数列は独立してその単元だけを教えやすいので、まとまった日数がとれる度に進めていきました。

センターレベルであれば、数学が一通り終わっていれば1つの単元は10時間ほどで十分復習できます。だいたい3~4日で1つの単元を終わらせるようにしました。三角関数は、加法定理の公式さえ覚えられていない状態からでもちゃんと身についていたので、この時期に全然できていないと思っていても焦らず着実に一つ一つ固めることが大事です。

国語、世界史、地理、理科基礎に関してはこの時点ではほぼ手をつけていません。現代文・世界史は4月から、理科基礎は7月から、そして地理は9月から本格的に始めています。英数以外の科目は後でまとめます。

 

④ 受験勉強(中期)

高3の4月に学校が始まり夏休みまでの期間です。この時期は春休みほどまとまった勉強時間をとることができなくなってきます。また、学校の登下校の時間や休み時間、ときには授業時間などで、自分で勉強する時間がどうしても増えてきます。そこで、春休みまでに終わらせた英文法や英単語をネクステやターゲットで定着させること、数学の入試基礎問題として『文系の数学』を1週間に1単元ずつ進めることを決めました。さらに、家でできることとして世界史をYoutubeでみながら夏休みまでに一周することを目標に進めてもらいました。

語は、文法はネクステを何周も(具体的に何周したとかは覚えていません)、単語はターゲット1400からやり直して1900を毎週100~200語、そして授業で語法をしていきました。また、現代文の読解にかなり力を入れるようにしました。現代文読解がちゃんとできれば、英語の読解は圧倒的に楽になります。なので、英語の読解を本格的にやる前に、接続詞の分類、対比や同値の見方、要旨のまとめ方など現代文読解を細かくやりました。

この時期に特に重要なのが、自分に合った勉強方法を試行錯誤することです。自分での勉強時間が大きく増えるこの時期に、「どの問題集を使うのか」、「どのペースで進めるのか」、「どれくらい深く学べばいいのか」、といったことをこの時期にしっかりと考え、自分で手ごたえをつかむ必要があります。分からないことを質問してもらい、その質問の内容によって、どれくらいのレベルで自習ができているのかを判断するようにしていました。

また、自分に合った勉強方法が身についているのかは本人はどのように判断すればいいでしょうか。私はこの時期、ずっと「模試の点数とか偏差値は気にしなくていい。むしろ、自分がやった単元の正答率や平均点との差など、部分的なところを気にしよう」と言い続けました。そもそも勉強の仕方が良いのか悪いのかを判断するポイントは、「やった分だけ点数が伸びているか」です。まだ手をつけていないところが良かろうが悪かろうが、それはその人の現在地を確認するほどのことにしか活用できません。しかし、対策をした内容で点が取れていなかったなら、その原因を徹底的に考える必要があります。

多くの人が間違うのが、たくさん勉強をしたんだから、「偏差値が上がって欲しい」とか「良い判定が出て欲しい」と期待してしまうことです。それは大きく間違っていると思っています。そもそも受験は総合点で合否の判断がされるものですが、国立受験となるとその総合点が合格ラインに乗るのは1月上旬、遅ければセンター後になることだってあります。高2の最後に始めて数カ月のこの時期にそんな総合力がついているはずがありません。ですので、判定は無視して下さい。そして、自分が対策した単元だけをしっかりと見てください。それで自分の勉強が合っているのか間違っているのかがわかります。

実際、この時期はどの大学・学部もE判定でした。私はそれに対して、本人にも「判定なんて今は全く関係ない。自分の立ち位置だけ確認して、あとは自分がやっている内容が身についているか、そしてそのペースで進めて間に合うかが大事」とも言っていました。

 

(続く)

高等部からの国立大学受験①(2018年度の振り返り)

前回、全体的なご報告をお伝えさせていただいたので、今回は高等部生で実際に国立大学を受験した生徒さんに絞ってどのように受験をしたのかを詳しくお伝えしようと思います。少し長くなりそうですので、全3回でまとめようと思います。受験面で心配している方の参考になれば!

 

① 受験勉強のスタート時期

その生徒さんが真剣に勉強をし始めたのは高2の2月頃からだったでしょうか。これは、日本の公立高校の子たちより早いと思います。そもそも部活が活発ではなく、夏の総体まで頑張る!のような目標もありません。自分の好きなタイミングで受験勉強を始めることができます。

逆に、「一般受験する!」と話していても、この時期頃に本当に真剣に始めないと「やっぱり推薦でいいかな」と周りに流されてしまいがちです。

中国では、1月後半~2月前半には春節休みがあったり、3月の春休みに入るのも3月10日頃と早かったりしますので、学校の行事がなく、何かに邪魔されることなく勉強に取り組める時期だったと思います。

 

②受験勉強前の状態

高2で解いた2017年度のセンター試験の点数は、英語、数学、国語の3教科が200点中の100点前後でした。5割くらいですね。理社はもちろん、もっと低いです。形式に慣れればあと20~30点くらいは上がるとは思いますが、その前に実力をつけておきたいような状態でした。

まだ受験勉強を開始していない状態なので、このくらいの点数で十分です。むしろ重視したことは、少しでもいいので「毎日勉強をする」という習慣の方です。なので、ここからは言葉だけ「受験する」と言うのではなく、行動してもらう必要がありました。そこで、単語テストや課題を少しずつ出すようにして、それをちゃんとやってくるかを確認していました。

その子が一般受験に向いているかどうかは、このときに宿題を完璧に終わらせてくるか、ということで判断できると思います。そもそも日本人学校高等部から受験をしようと思うなら、一番大事なのは周りに流されない意志です。なので、周りが何をしていようが言い訳せずにちゃんとコツコツできるかです。

 

(続く)

2018年度のご報告

いよいよ新元号が発表され、間もなく新年度を迎えます。しばらく投稿できずにおりましたが、ここで2018年度にやってきたことをご報告できればと思います。

 

①結果報告

結果的にブログではなく、口コミで生徒さんが集まりあまりこちらでは情報をお伝えできずになっていました。以下、英語資格講座および作文講座で出した結果です。

 

まず、英語資格ですが、インターナショナルスクールに通うYEAR9のお子さんにTOEICの指導、および日本人学校虹橋校に通う小学4年生のお子さんに英検5級を指導しました。

TOEIC指導は、 2カ月ほど準備した1回目に870点(詳細忘れました)、その後少し期間があいてまた1カ月ほど指導した上で再度受験した2回目が910点(R415, L495)という結果でした。もともとかなり英語力のあるお子さんでしたので、TOEICに出てくる用語や文法、そして形式に慣れるための問題演習を行いました。リスニングについては自分で練習してもらっています。最初にサンプル問題を解いてもらったときは600点台の予想でしたが、もっと取れる実力はあったので、TOEICの問題形式別に解き方について説明していきました。目標点は十分に超えたので、あとは高校受験について準備してまいります。

次に英検5級の指導です。かなり英語が苦手なお子さんでした。brotherという単語をみたときに、bだけをみて「バナナ」と言ってしまうほどでした。ただ、単語を読み上げると「兄弟」と意味を答えられるんですね。そこで、読み方のパターンを確認しながら、自分で発音ができるようにしていきました。5級はリスニングが比較的簡単で、今回の生徒さんのように音が聞き取れれば意味は分かるという場合は、高得点が狙えます。そうして、リスニングで点を取りつつ、いかに読解で一問でも多く正解ができるかということを指導していきました。実質冬休み中に行い、全10回の内容で見事合格することができました。

 

次に、作文指導の方です。こちらはインターナショナルスクールの6年生のお子さんに都立中学の帰国生入試の作文を指導しました。国慶節に指導を始め、約4カ月という短い期間でしたが、「出題者の意図の読み取り方」「作文の構成」「言葉遣いや表現方法」などを説明していきました。さらに、冬休みにはプレゼンテーションや面接の準備も行いました。かなり、集中して取り組んでくれたおかげで、まとまった文章を書き、しっかりとしたプレゼンテーションの発表ができるようになり、見事立川国際中学に合格してくれました。おめでとう!

 

②高校受験・大学受験について

高校受験では、2人のお子さんに指導をいたしました。2人とも上海滞在期間が長く、帰国生入試を利用して志望校に合格することができました。詳しくは後日まとめます。(いつになるかわかりませんが。)ただ、言えることとしては、帰国生入試と一口にいっても高校によってその中身は全く異なります。出願資格を満たしていればほぼ確実に合格する高校もあれば、年々競争が激しくなっているところもあります。

今年に関していえば、中央大附属高校(中附)がかなり人気になり、渋い結果になったと思います。私の生徒ではありませんが、慶應義塾に受かりながら、中附に落ちたっていう子までいたそうです。まあ、新しく帰国生入試を始めたこと、帰国生にとってちょうど受けたくなるレベル感であること、そしてもうすぐ新形式の大学入試になることなどから、保守的な選択肢だったはずが逆に受験生が集中し過ぎて難しくなった気がします。

そもそも、新形式の受験の内容だって、これまでとそれほど大きくは変わらないので、不安を煽るような情報に流されずに、冷静に高校選択を判断されることをおすすめします。

 

次に、大学受験です。こちらも、詳しくは別途でご報告いたします。高等部内の推薦をとる子がほとんどのなか、中学3年生からずっと指導してきたお子さんが、センター試験で5教科7科目、そして2次試験で国数英の3教科を受験し、しっかりと首都大学東京に合格を勝ち取ってくれました。本当におめでとう。高1の頃は、英語や国語は大の苦手、数学は勉強しないと赤点からのスタートでした。最後の1年間は誰もがわかるくらい真剣に勉強していたからこその合格だと思います。

 

また、インターナショナルスクールのお子さんは、帰国生入試で早稲田、上智、立教、法政と合格してくれました。海外出願はどこも厳しい結果でしたが、日本に戻ってからの帰国生入試でみんな順調に合格を勝ち取ってくれました。こちらも、少し思うところがあるので、詳細は別途まとめます。

 

以上、まずは、2018年度で出た結果のご報告です。ご参考までに。

 

③記事およびメールでの進路の無料相談


引き続き、進路の無料相談は行っております。上海にお越しになる前で教育状況が知りたい方や、塾に通っていない方や塾に通っているが不安で進路の相談をしたい方に向けて、個別にメールでご返事をするか、差し支えない内容であれば記事を通して情報発信をしていければと思っております。そして、その情報をみんなで共有できる場を作りたいと思います。受験のこと、上海の学校のこと、語学のことなどなど、私の知っている範囲で答えさせていただきます。

 

まずはお気軽に、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

f:id:shanghai-education:20180111014633p:plain

 

お知らせ

9月になり、日本人学校、インター校、現地校と夏休みもようやく終わりましたね。このタイミングで、2つほどお知らせをさせていただければと思います。

 

1つ目は、古北・虹橋地区で「英検講座」および「現代文読解・小論文講座」を開講することのお知らせ、そして2つ目は記事およびメールでの進路の無料相談のお知らせです。

 

1. 国慶節後の10月中旬にスタート!英検講座および小論文講座

さて、まず1つ目のお知らせは、10月以降で実施する英検講座および小論文講座です。もともと、「上海で英語系の資格を取りたい方」という記事を1月に投稿していました。そして、少しずつ準備をすすめ、ようやく場所の確保と時間的に余裕が出てきたところで実際に10月以降で始めようかと思っています。ご要望のあったクラスを開設する予定です。

 

1-1. 英検講座の概要

以下が概要になります。

①教室は古北・虹橋地区

②開催日は土曜日の午後(13:00~15:00 or 15:00~17:00になる予定)

③1コマ2時間、期間は約2カ月

④人数は2~3人

⑤費用は級や資格によらず、1コマでビッグマック20個分くらいの予定

※ただし、エッセイの添削等はオプションにしようかと思います。

 

今のところ受ける生徒数のボリュームが多い英検をメインで考えているのですが、ご希望が多ければTOEFLやIELTS、TOEICの対策でも大丈夫です。とりあえず、ご希望があって、そして人数がそろった時点で決めます。

 

また、帰国生向けの中学・高校入試の英語エッセイの対策も行うことが可能です。現在も1人、日本にあるインターを目指す中3のお子さんのエッセイ対策を行っています。

 

詳細はまた別途お伝えすることになるかと思いますが、もし個別でのご質問・ご相談等がありましたら、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

f:id:shanghai-education:20180111014633p:plain

 

1-2. 小論文講座の概要

以下が概要になります。

①教室は古北・虹橋地区

②開催日は木曜日の午後(18:00~20:30になる予定)

③1コマ2時間30分(だいたい3カ月で13~14コマを想定)

④人数は2~3人

⑤費用は1コマでビッグマック25個分くらいの予定

 

こちらで想定しているのは、一般入試での慶應SFCの小論文、あるいは早稲田のグローバル入試やその他の大学の公募推薦等を考えている方になります。レベルによっては読解講座から始める場合もありますので、その場合はもう2カ月ほど期間が伸びるかと思います。実際に、これまでに慶應SFC(一般)、早稲田政経(グローバル入試)、関西学院大学(公募推薦)等を指導し、合格者を出してきました。

 

こちらも、詳細はまた別途お伝えすることになるかと思いますが、もし個別でのご質問・ご相談等がありましたら、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

f:id:shanghai-education:20180111014633p:plain

 

2. 記事およびメールでの進路の無料相談

次のお知らせが、進路の無料相談です。上海にお越しになる前で教育状況が知りたい方や、塾に通っていない方や塾に通っているが不安で進路の相談をしたい方に向けて、記事を通して情報発信をしていければと思っております。

 

すでに、前回の記事の最後に個人的な想いは伝えさせていただきました。それは高等部の高校生に限らず、他の子どもたちや保護者の方に対しても同じように「不安だからといって極端に保守的にならないで、もっと挑戦したり、努力したりした方が楽しい」という個人的な想いがあります。 そうして活性化して欲しいなと。

 

その上で、「じゃあ上海での子どもの教育のことを誰に聞いたらいいの?」って思っていらっしゃる方はかなり多いと思うんです。一部の方には、本当に藁にも縋る気持ちで頼った方に騙されるようなことが起こっていたりします。そこで、そういう状況が少しでも改善したり、何より、安心して、納得して、子どもを育てられるようにしたいなと。

 

そのためには、私自身もみなさんからご質問等をいただいて、それにお答させていただく中で、徐々に新しい情報を発信できればと思っています。また、お伝えした内容で間違っていれば、ご指摘もください。確かめた上で、修正して再度公開いたします。

 

そして、その情報をみんなで共有できる場を作りたいと思います。受験のこと、上海の学校のこと、語学のことなどなど、私の知っている範囲で答えさせていただきます。

 

まずはお気軽に、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

f:id:shanghai-education:20180111014633p:plain

そして、もちろん個人が特定されるような情報を除き、主にブログで他の方の参考にもなるかたちで答えさせていただければと思います。

 

以上、長くなってしまいましたが、よろしくお願い致します。

(2017年度)日本人学校高等部の受験結果についての感想

ブログの更新がまたまた滞っておりました。。。夏休み明け、いくつかの告知を行うと思いますが、その準備をしておりました。

 

今日は、今さら感はあるのですが、ここで昨年度の高等部の受験の結果について分析と、私の個人的意見をお伝えできればと思います。

 

①日本人学校高等部って進路実績いいの?

まずまず、「良い」と思います。良い結果を出している理由としては、他の高校の先生方、教育機関の方と比べても遜色ないどころか、高等部の先生方はそれ以上に頑張っていることにあると思います。高等部の先生は、生徒が少ないということもあり、1人1人に対して結果を出すことに強い責任をもっているのは間違いありません。この点、生徒にとっては、日本の大部分の高校よりも恵まれた環境だと思います。

 

もちろん物足りない点はあります。一般受験、特に国立大学を目指したい生徒にとっては、学校の行事や授業の多くが妨げになっているのも確かです。ただし去年は、2期生以来となる、AOや公募ではなく一般受験で国立大学に現役で合格者を出していました。加えて、私立で慶應義塾大学にも実質2人の一般受験での合格も出しており、予想していた以上に頑張ったと思います。

 

大まかな基準でしかありませんが、偏差値50台の高校に進学するよりは良い進学が期待できるのではないでしょうか。

 

②個人的な想い

というわけで、去年の進学実績は全体的には良かったと思います。しかし、もっと詳しく中身を見ていくと、個人的にはもう少し頑張ってほしいところもあります。

 

まず、去年の一般受験をした多くの子が編入生たちであったということ。それは、編入生だと日本の高校での成績が低く、高等部の良い大学の推薦枠に入れないということもあるでしょう。

 

一方、最初から高等部に入る多くの生徒は「推薦ありき」で高等部に進学しているように思います。つまり、一般受験などは最初から考えず、推薦のために定期テストで高得点を目指している子たちが多いです。

 

それは生徒一人一人にとってはとても合理的な判断であり、それ自体が間違っているなんて全く思いません。ただ、そういう子たちが多いことで、学校全体の雰囲気がどうしても保守的になっています。陰では学校や先生に不満は言うけど、先生の評価を気にして命令されたことは従う。そんな矛盾した雰囲気が作られていているように思います。

 

そういう高等部を外から見ていて、個人的に思うことは、「生徒たちよ、もっと高等部を活性化させてくれ」ということです。高等部がもっと良くなる鍵は、先生でもなく、上海という環境でもなく、高等部に通う生徒1人1人がもっと強くなることだと思っています。

 

何が活性化なんだ?と思う方もいると思います。文化祭や演劇祭などのイベントが盛り上がればいいのか、進路実績がもっと良くなればいいのか。それらも要素の1つ1つではありますが、私が思うのは、高校生活のなかで感動できることを見つけられることだと思っています。まずは、その対象は何でもいいと思います。ただし、時間と労力をかけて熱中できるものが必要です。今の高等部には何かに熱中して努力している学生が圧倒的に少ない。

 

③私ができること

受験でもいいですし、部活でもいいですし、外部での活動でもいいと思います。何か熱中できることを探して欲しいな、と。

 

私がこうして言っていることは、傍観者の戯言であることは重々承知しています。ただ、間接的にでも上海で教育関係に携わっているなかで、高等部に進学する生徒たち、その保護者の方々がもし、このブログに出会い、一人でも多くそういう視点をどこかで持ってもらえたら、高等部がもっと良い学校になる気がするんです。

 

国立大学・難関私立大学等に進学したいという希望があれば、そのサポートを致します。AO入試や帰国生入試の情報が知りたいということであれば、私のわかる範囲でお伝えします。何か、「頑張りたい」と思っている子がいれば、私も微力ながら応援したいなと思っています。

 

 

以上、今年の高3生たちを見ていて思うところがあったので、こうして書かせていただきました。